3月11日 震災直後その2



一ヶ月近く水もやらず放置していたのに
今年は特別大きな花を咲かせてくれました。
ありがとう!








震災直後その2

すでに停電中なので、インターホンは使えません。
大声でご挨拶しながら、門扉を開け人の気配のするお庭の方へ。

お互いの無事をうるうるしながら喜びあい、早速移動。
途中コンビニが開いていたら、お水を買おうと話ました。


二人でそろりそろりと移動中も、電線がゆさゆさと揺れ
上を見たり、左右を確認したり何しろ忙しい。
なるべく電柱のない道を通ることに。

道路には毛布をかぶって家の外に出ている方が
大勢いらっしゃいました。



普段は無駄に明るいコンビニも当然のことながら真っ暗。
中に人影が見えたので、声を掛けてみるとどうぞとのお返事。

ありがたくお水とおにぎりを買わせていただく。
おにぎりを人数分と思ったけれど
数も少ないうえに、後に年配の方が数人いらっしゃったので
子供達の数だけ確保。

今思うとこの時、日持ちのするパンやカップ麺なども
購入しておけばよかったのです。
後日並んでも食料が変えない状況に陥るなんて
全く考えが及びませんでした。

手作業の会計にかなり手間取り時間が経過。



コンビニを出ると、外は異様な空気に包まれていました。

信号が機能していないので、自動車が数珠繋ぎです。
雪が舞い、クラクションが鳴り・・・
車の中にいる人達の苛立ちが、外を歩く私達にまで伝わってきます。


一瞬時が止まったような、モノクロの別世界に迷い込んだような
今までに経験したことのない空気感でした。



中学校に着くと、息子の友人達が○○くんのお母さーん
っといつもの笑顔で挨拶してくれます。

緊張感なくふざけあう子供達の姿にホッ!
思わず笑みがこぼれました。

しかし息子は一足違いでに先生に付き添われ、
集団下校したとのこと。

あちゃ~、コンビニが余計だったかしらん?
しかし、怪我もなく元気な事は確認できたのでひとまず安心!


災害時には、私がつれて帰ると約束していた友人の娘Åちゃんを
引き渡していただく。
「私、泣かなかったよー」
と笑顔で駆け寄ってきた彼女が愛おしい。

あー、本当に無事でよかった!



追い討ちをかけるかのように、無情にも雪は激しくなっています。
でも、まだ興奮しているせいか寒さは感じません。



急ぎ帰宅すると、息子はまだの様子。
少しすると、別の道からどやどやと集団が歩いてきました。

その中から、息子がひょっこり顔をだし
「ただいま~」
「お帰り~」
今日のただいまは、いつもの何倍も何十倍も嬉しい!

こんな時だけ
何はなくても元気が一番!と都合よく思う私です。


先生方雪の中、無事に送り届けてくださって
本当にありがとうございました! 感謝です。



家に入ろうとして、玄関先で思案。
家具こそ倒れてはいないけれど、床にはいろんな物が
散乱しているはず。
今日は全員スリッパを履かないと・・・

皆が今日中に帰宅すると信じて
六人分を玄関マットの上に並べておきました。

が、結局この日スリッパを使ったのは四人。



さて、五時半には暗くなります。
それまでにやるべきことは何?

リビングの机上をざっと中学生二人に片付けてもらい
ラジオ・懐中電灯・災害時用ろうそく・チャッカマン
電池の入った缶を並べ、本当に使えるのか点検してもらう。


スイッチの入ったラジオから
・・・・・津波のニュースが流れています・・・・・


災害時用に7.8年前に買ったカセットコンロを押入れから出す。
一度も使ったことがないので、箱から出してこれも点検よろしく。
すぐ使えるようにセットしておいてね。

今日は、家具のない一階の部屋に皆で寝ましょう。
二階に布団を取りに行こうと階段へ。
ガラス片が散乱している。踊り場の花瓶かな?
これは危ない。
ほうきで破片をざっざっと廊下の端へ追いやりました。

ラジオがとても気になりましたが
日が暮れるまでにやるべきことをやり終えなくては。

戸をふさいでしまった冷蔵庫も移動しないと。
乾パン・ビスケット・お菓子も出しておこう。
冷蔵庫には何が入っていたかしら?
夕食は何にしよう?

今日から新潟のご実家に帰られたお隣さんは
無事ついているかしら?
明るいうちに、お隣さんの家も一度見回りにいかないと。



街中の高校に通う娘とは全く連絡がとれていません。
あの時間、まだ模試の最中だったら学校なので大丈夫。
でも帰宅途中だったら・・・

娘の事を考えると熱いものがこみ上げてきます。


娘は絶対大丈夫! 
そう自分に言い聞かせて、次々と浮かぶ
夕暮れまでにやるべきことをこなしていきました。